ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

オガちゃん[2021年10月19日(火)雨]

寒さで目が覚める。薄手のタオルケットを首元まで引き上げ、体全体を覆うようにしてもあたたかくならない。そうしているうちに頭が冴えてしまった。諦めてベッドから抜け出る。

 

先日のクラフトビールの取材原稿を書き進める。週の後半は取材で作業ができないので(木曜日には日帰り北海道出張なんていう予定もある)、今日と明日でどこまで書けるかが勝負。午前中はいいペースだったけど、冷凍うどんと賞味期限の切れたチョリソーを食べた昼ごはんのあとから失速。というか、疲れてきて文章の細部に気が回らなくなってしまったので、要素を書き出してざっくり構成を並べるやり方(準-原稿よりもさらに一段階解像度を落としたようなものを書いておくやり方)に切り替える。素材をある程度まとめて並べることができれば、短い原稿であれば半分以上できたようなもの。それをなるべく多く作っておいて、集中力が復活した明日の朝などに手際よく原稿のかたちに持っていくようにしたい。

 

執筆の途中、恋人が昨日オザキフラワーパークで買った観葉植物が届く。観葉植物を買うと聞いた時は、へえ、という感じであまり興味もなく、家に届いた時も一瞥しただけだった。リビングに置かれたそれを最初に見た時も(大きいな)という印象しかなかったのだけど、ケトルの湯が沸くのを待ちながらじっくり見たりしているうちに、あっという間に親密さを抱くようになった。オーガスタという品種なので「オガちゃん」と命名。ことあるごとに呼びかける。3人家族になったような気分。

オーガスタはアフリカなどに自生する植物で、サイズはものによるけれど、オガちゃんは鉢も含めた高さが1.8メートルほどある。私よりも、恋人よりも背が高い。野生では10メートルに達することもあるそうで、検索すると大きくなりすぎて困っている人の相談がいくつかヒットした。たった半日でこれだけ親しみを覚えているので、長い時間を一緒に過ごしたあと、成長しすぎて手放さざるを得なくなる…ということになったらかなり悲しいと思う。その引き裂かれるような気持ちを先回りして妄想し、切なくなる。鉢のサイズを大きすぎるものにしなければ、そんなことには多分ならないと思うけれど。

 

私は先週から来週にかけて2021年で一番忙しいくらいなので、夜になっても仕事は終わらず。休憩も兼ねて夕食。私がかなりバタバタしていて土日も仕事続きの一方、恋人は転職前の有休消化期間中で、毎日いろんなところへ出かけたり、家でゆっくり過ごしたりしている。そのためここのところ夕飯も恋人に任せきり。しかしかなり助かっている。なんとなくそのことを日記にちゃんと書いておきたいな、と思う。明日は書く時間が取れるだろうか。今日は恋人が作ってくれたガリバタチキンとみそ汁、あとはスーパーのポテトサラダだった。

 

食後少し休憩して、また仕事。2時間ほどやって、今日は終了ということにする。寝るにはまだ早かったので最近できていない読書がしたいと思ったが、SNSをだらだら見ていたらあっという間に時間が過ぎていた。考えることをする気力がない。

 

寝支度をして、オガちゃんにおやすみを言う。マジの声かけというよりは恋人とのコミュニケーションの側面が強いのだけど、とはいえそうして挨拶などしているうちに情が蓄積するということも、実感としてたしかに胸の内側にある。

 

今日の新規陽性者数は36人、現在の重症者数は26人、死者13人。