ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

色々な試み[2023年2月14日(火)晴れ]

昨日と一昨日は気圧のせいかとにかく朝が起きられなかった。昨晩寝る前に天気予報と「頭痛ーる」をチェックして、晴れ予報だし気圧も問題なさそう、これなら朝もちゃんと起きられるはず、と思っていたのだけど、結果は全然ダメ。10時くらいまで寝てしまった。シャワーも浴びず、歯磨きだけして仕事に取り掛かる。鏡に映った自分を見て、寝ぐせが爆発しすぎていて苦笑する。でもこれは昨晩ちゃんと整髪料を落とした証。ドライヤーで乾かさずに寝た証でもあるけど。

 

朝からざっくり書いていた原稿2本の仕上げ。それぞれ1時間ほどで終わる。そのあと、木曜日に配信予定のポッドキャストの最終音源をAnchorにアップする。

最近、この日記ブログの更新が滞ってしまっているのが引っかかっている。その原因の一つがポッドキャストの配信であることは間違いない。時間は無限ではないのだし、何か新しいことをすれば別の何かが手薄になるのは仕方ない。そうは思うものの、やっぱり自分にとって話すことやポッドキャストはサブ的な位置付けのはずなのに、それが日記や書くことを圧迫しているのは本末転倒という気がする。

日記は不定期で、ポッドキャストは週一配信、と決めているのもバランスが崩れている一因なんだろう。しかしポッドキャストはまだやりはじめだし、安定飛行に到達するまでは更新頻度を決めておいたほうがいいと考えている。いずれ隔週更新などになっていく可能性はあるけど、ひとまずもう少し週一をキープしたい。

ただ、日記の更新が滞っているのはポッドキャストだけが原因ではなくて、単純に日記ブログという以外の形態を試したいということもある。エッセイのZINEを構想しているというのもあるし、日記を書くにしても、誰かとの会話や一緒にいた時間をもう少しちゃんと書き込みたくて、そうするとそれぞれの人への確認を出したいのでブログにぽんと出せなくなる。そのような理由で、ここには掲載していない日記もある。

 

お昼ご飯は少し前にカルディで買っていたパクチーラーメン。具なしだと味気ないのでツナ缶を入れる。ツナの出汁がよりアジア風味をアップさせてくれた気がする。腹ごなしにスーパーへ買い物。今日がバレンタインだったことを思い出し、近所のケーキ屋でチョコレートのケーキとプリンを1個ずつ購入。帰ってきたら軽く筋トレ。BGMはリアーナのスーパーボウルのハーフタイムショー。リアーナ、終始余裕綽々で格好いい。

ファン・ジョンウン『ディディの傘』を読む。2つの物語が収録されているのだが、ひとつめの「d」がなぜかいっこうに読み進めることができずにいた。それでもわりと終盤まで来ていたので、残りを集中して読み切る。みんながすごいすごいと言っている小説なのにあんまりよくわからなかったな……と思いつつ、2つめの作品「何も言う必要がない」を読みはじめる。

 

途中でプールへ。2月は全然泳げていない。出張があったし、先週はうまく時間を使えなくて1回しか泳げなかった。そのせいか、持久力が落ちている気がする(そんなにすぐ落ちるのかは不明だが)。そして前にも書いたけど体力的に苦しくなるよりも先に腕や胸の筋肉が疲れてしまう。いわゆる「乳酸がたまる」みたいなことなんだろうか。何か疲労を軽減するスポーツドリンクを飲みながら泳ぐといいんだろうか。クロールと平泳ぎで2200m。

 

帰宅して、夕飯はキャベツとひき肉の豆板醤炒め。そのあとケーキを食べて、恋人がテレビを見ている横で『ディディの傘』。「d」が全然進まなかったのに対し、「何も言う必要がない」のほうはぐいぐい読み進めてしまう。どちらもセウォル号事件以降の韓国社会が舞台で、二つの物語の登場人物は直接言葉を交わすことはないけれどある地点で交わり、すれ違っている。別々の物語が一つの社会の中に織り込まれている様子を描いて、小さなものと大きなものを接続する。それによって、また別の小さなもの=読者やその隣人の生や苦しみがなかったことにされるのに抗う、ような小説。ここまで読むと「d」の重く、何かを引きずるような文体も完全に効いてくる。途中で読むのを諦めないでよかった。

「何も言う必要がない」は同棲しているレズビアンたちの話でもあって、韓国における同性カップルの保証のなさや理解のされなさに加え、「女性二人で暮らしている」ことで向けられる男性からの性加害的な視点についても語られていた。また、女性に対しても三人称を「彼」としたり(斎藤真理子は訳者あとがきで「英語圏で見られる、theyを三人称単数として使うケースとも呼応している」と書いている)、その他の作品でも性別を明らかにせず恋愛関係を描くなどクィア小説としても色々な試みをしているようだ。他の作品も読んでみたい。

 

寝る前にメールをチェックすると、すごく興奮する仕事の依頼が来ていた。受ける以外の選択肢はないが返信は明日することにして、とりあえず今日は寝る。しかしテンションが上がって目が冴えてしまった。寝付けないので、電子書籍で町屋良平『ほんのこども』を買って、読みながら眠くなるのを待った。