ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

漸進[2022年5月29日(日)晴れ]

暑くて眠りが浅かったのか、起きてもあまり疲れが取れていなかった。快眠が取り柄なのにここ数日うまく眠れない日が続いている。もっと寝ていたいけど、すでに日が高くて部屋の中が蒸し暑い。今日の最高気温は30度を超えると聞いた。あと数時間寝たところで大して変わらない気がして、シャワーを浴びてパソコンに向かう。

今書いている原稿で苦戦しているものがあって、昨日もそれと格闘していた。月曜日にまた本腰を入れて取り組みたいので、今日は別の原稿を仕上げることに。やっぱり頭が働いていない感じがするけど、無理やりやっているうちに思考が追いついてくる。どうにか昼前に終わらせた。

 

お昼ご飯は木曜に作った豚キムチ。金曜夜、土曜の昼と夜にも食べているのでもうかなり飽きているのだけど、昨晩の時点で味が酸っぱくなってきたように感じて、早めに食べ切りたかった。傷みはじめているのをごまかすように納豆を混ぜて、白米の上に乗せて丼にする。

 

冬物をようやく洗ったので、リビングの床に広げて平干し。インドなどの湿度の低い地域では洗濯物を地面に広げて干すのを思い出す。いつもこうしているけれどかなりスペースを取るし、乾くまで半日以上かかり、定期的に裏返すなどの手間もかかる。このやり方が正解ではない気がしている。違う気がする、と思うところまでが恒例行事になっている。そしてその違和感も、自分なりのやり方で手間をかけることも実は嫌いではない。

こんなふうに床を自由に使えるのは、部屋に一人でいるからだ。だから私が冬物を洗うのは恋人が出張などでいない時に限られる。自己流の平干しをするのはいつも一人の、夏の手前のよく晴れた日で(そうじゃないと乾かないため)、状況が決まっていることでなんとなくより特別なことに感じるのかもしれなかった。

 

外に出ると暑くてまぶしかった。上下ともに黒っぽい洋服で出てきたので、日差しの下にいると自分が濃い影になったように感じる。恋人とLINEしながら文フリへ。Twitterを見ていてなんだか今回は盛り上がりそうだと感じていたのだけど、なんと最初は入場の待機列が建物の外まで続いていたらしい。炎天下のなかお疲れ様です。私が着いた時には行列は室内のみだったけど、それでもフロアにとぐろを巻くような長蛇の列。20分は待ったと思う。入った時点でちょっと疲れていた。

知り合いのブースや気になっているブースをめぐる。先日の日記祭でもご一緒した針山さんが出店していて、「開場前に『サイトへのアクセス数がコロナ前に戻ったので、来場者が多いと思う』ってアナウンスがあったんですよ」と言っていた。そんなことなら自分も出ればよかったなとちょっと後悔。新刊がないからとか言ってないでとりあえず出店して、一冊作れなくてもペライチでもなんでも作って配ればいいのだ。

せっかく客として来たのでじっくり見て回ろうと思っていたけど、あまりの人の多さに途中からは結局足早に知り合いに挨拶するだけになっていた。1時間半ほどかけてまわって、あの人にもこの人にも会えて新刊を買えてよかった、と思いながら退場。来場者シールを剥がし、改札をくぐったところで行きそびれたブースがあることに気づく。Twitterを見てさらに抜け漏れに気づく。全クリしたと思ったけど全然ダメだった。まあ仕方がない。

 

新宿のモンベルで先日修理に出した傘を受け取る。GAPへ行き、先日気になっていたボーダーのTシャツを買う。2枚買うと30パーセントオフだったので、まんまと色違いで買った。

GAPは中国によるウイグル族への強制労働の疑いがある新疆ウイグル自治区から衣服を調達していないことを声明として発表している。日本ではユニクロ無印良品などが新疆産の綿を今も使用し続けている。なんだかんだでユニクロの服は着やすいし値段も安いから、後ろめたさを覚えながらつい買ってしまうのだけど(今日もユニクロのデニムを履いている)、GAPを利用してみて、後ろめたさや不安を感じずに買えるってこんなにストレスフリーなのかと思った。ユニクロ以外でも洋服は買うけど、特にそう思ったのは価格帯が近いからだろうか。

GAPの店頭には東京レインボープライドとのコラボと思われるTシャツがあった。こうしたコラボアイテムの多くがレインボーフラッグの6色を使っていたのに対し、GAPのTシャツは白、水色、ピンクのトランスジェンダーカラーと茶色、黒の人種的マイノリティカラーを含めたプログレスレインボーがモチーフ。どんな意図があってそれを採用したのかまではわからないけど、前進しようとする意志、みたいなものを読み取りたくなった。デザインもなんとなく今の気分に合っているし、もうちょっと頻繁に足を運んでみようかな。

 

企業倫理的な話でいえばやはり今気がかりなのは、トランス女性が男性上司からセクハラを受けて提訴したpixivの件。原告の方の「周りにも同様の被害を受けている女性がいて、(会社に)一緒に相談したが、生来の女性と私に対するセクハラでは『重みが違う』と言われ、本当に悔しい思いをした」という発言に胸が痛む。重みが違うって一体誰が、どの立場からそんな判断ができるんだ。pixivは今日の文フリにも協賛?していて、トートバッグと「pixivに投稿した小説を冊子にできるサービスをはじめました」というリーフレットを配っていて、複雑な気分になった。会社側の対応を注視したい。

しかし上記の原告の方の発言内容もそうだけど、トランスジェンダーへの偏見や無理解は相変わらず根強い。さらに近年はヘイトを見かける機会も増えている気がする。可視化が進んでいるのかもしれないけどそれは原因のほんのごく一部にすぎなくて、やはり苛烈化してしまっているような。トランス女性は女性ですよ。こちらの「はじめてのトランスジェンダー」のページがわかりやすいので、よくわからない人には一度読んでみてほしい。

駅前を通ると、黄色と水色の国旗を掲げた在日ウクライナ人の方々のデモ。少額だけど寄付した。

 

プールへ行くため移動する。さすがにちょっと疲れていて、セブンイレブンで買ったアイスカフェオレを近くの公園で飲んだ。文フリで買った本をぱらぱらしながら。汗で肌がべたついていたけれど、シャワーを浴びて泳げばさっぱりするだろう。今日は張り切って3キロ泳ぐぞ〜などと思っていたけど、やっぱり疲れていて2キロしか泳げず。しかし以前は2キロなんて元気な時にしか泳げなかったわけで、確実に進歩していると感じる。漸進。

 

今日の新規陽性者数は2194人、現在の重症者数は3人、死者4人。