ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

日記祭[2022年4月10日(日)晴れ]

これまでに出した日記本と、昨日製本したばかりの新刊を持って家を出る。天気がいいし、休日の下北沢BONUS TRACKはいつも人が多いし、日記祭は日記を作っている人だけが出展する珍しいイベントだから「買うぞ~」という気分で来る人が多そうだし、けっこう売れそうな気がするけどどうなんだろう。読めないので、とりあえず多めに持っていく。新刊は薄いので、たくさん持っていっても荷物が重くならないのが気楽。

 

集合時間の10時50分ちょうどに着いて、みのるんと一緒に出展準備。水筒にペットボトルのお茶を移し替えた。何ヶ月か前から体温が上がると体中がかゆくなるのだけど、冷たい水を飲むと少し楽になる。今朝その話をしたら、恋人が水筒に氷を満たして持たせてくれたのだった。

屋外でのイベントで気温も高くなりそうなので、ブースで悶絶することになったら嫌だなあと不安だったのだけど、不思議と今日はほとんど発症しなかった。汗をかいた時や深部体温が上がる時にかゆくなりがちなものの必ず発症するわけではなく、いまだに法則が掴めない。

 

自分のブースの準備ができたら、その時点でなんとなくスタート。私のブースは動線から少し外れていたので油断していたけど、はじまってすぐに一冊、また一冊と売れていく。訪れる人は日記祭を見に来た人、来たらたまたまやっていたので寄った人などさまざま。知り合いもたくさん来てくれて、文フリよりも知り合いやなんとなく面識がある人とよく会った気がする。それからこのブログを読んでいるという人や過去の日記を持っている人が少なからずいて、実際に会って短くでも言葉を交わせたのがうれしかった。ありがとうございました。

 

他のイベントだと、「なんで日記売ってるんですか?」と不思議がられたり、説明してもあんまり理解されなかったりして温度差を感じることもある。だけど日記祭ではそれがなくて、どんな日記なんですか、からはじめられるのが気楽でよかった。初開催のイベントなのにかなりホーム感が強かったのは、こういう理由もあったのかもしれない。

 

ブースに立ち寄ってくれた方には、新作を「一昨日までの日記です」と紹介していた。そのたびに皆さん驚いたり笑ったりしてくれてうれしかった。イベントが終われば、昨日急いで作ったことは別になんでもなくなってしまう。この日この場所に来た人だけの「その日性」みたいなものを共有したかったし、それは日記的でも祭り的でもあると思っていた。*1

あと、これはイベント中に気づいたことで、500円という金額や28ページという薄さは心理的にかなり売りやすい。これまでの日記本は二段組みで170ページ前後、価格も1000円と安くはなかったので、売る時にどこか遠慮があった。500円、かつコーヒーを一杯飲む間に読み切れる分量だと、こちらも気楽に勧められる。やっぱりラフにやっていくほうが今の自分には合っているんだなと、新作のあとがき(という立て付けのある日の日記)に書いたことを確かめるように思う。

 

最高気温が25度近い暑い日で、いつも部屋の中にばかりいるので普段と違う疲れ方をした。ANDONのおにぎりセットを食べた昼過ぎ、かなり眠くなる。BONUS TRACKにはおいしそうな店が多く、ビールを飲みたくなったけど、今飲んだら寝てしまうので確信があった。我慢してアイスカフェラテ。カフェインを摂取しつつ、糖分で頭を働かせようと普段使わないガムシロップを入れる。

17時にイベント終了。思ったよりずっと軽くなったカバンでBONUS TRACKを後にする。ずっと外で日光を浴びていた(日よけはあったけれど)からなのか、なんとなく肌が突っ張った感じに。海水浴の帰りの感じに似ていると思う。日焼けの微かな痛みと、なにかが付着しているような粉っぽい感じ(それは海なら潮風で、今日なら花粉とかだろうか)。心地よく疲れた体で坂道を下る。そして我慢していたビールを飲みに居酒屋へ。

 

今日の新規陽性者数は8026人、現在の重症者数は29人、死者0人。

*1:とはいえ遠方だったり都合がつかなかったりして来られない人もいたと思うので、追って通販もします。準備できたら告知しますね。「その日性」を感じながら手にとってもらえたら。