ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

いろんな雪の日[2022年1月6日(木)曇りのち雪]

寒い日が続く中でも今日は特に寒い。午後から雪の予報になっているけど、そんな日に限って会社の仕事始めで出社しないといけない。家で少し作業したあと、電車で会社へ。締め切りの迫っている原稿に着手する。最近、またスランプに陥っている。言葉はスムーズに出てきて文章はつながるのだけど、なんか浅くて書いていて楽しくないし、できあがったものを面白いと思えない。かたちになってしまうぶん、積み上げたものがあるから引き返しづらくもあり、やっかいだなと思う。

そうするうちに雪が降り出した。原稿を書きながら、そろそろ出張のための新幹線をとらないと、と思って「えきねっと」にアクセスする。該当の時間帯の便は軒並み「△」表示。移動が活性化しているのを感じる。オミクロン株の拡大スピードが思っていた以上に早いので、ほぼ満席のような新幹線に乗ることへの不安がよぎるが、ひとまずチケットを購入した。

長野出張へ行く前に、念のためPCR検査をしたほうがよかったのかもしれない。でも今日は会社だから行けないし、明日ではもう間に合わない。こういうところにも自分の油断があらわれている。

 

ふと外を見るとけっこう雪が降っていた。電線の上に雪が積もって、それが時々ばらっと落ちる。デスクの向かい側の窓よりも高い位置に電線があるらしく、私の席からだと何もないところからいきなり雪の塊が落ちてきたように見えて、不思議な感じ。でも、それが何かリズムのようなものを生み出してもいる。

会社からは早めに帰ってもいいと言われているけれど、今日の作業量的に定時までやってちょうどよさそうだったし、しかも家に帰ったら怠けて明日にまわしてしまう気がした。もうひと頑張りするために、億劫だなと思いながら食事のために外へ出る。

覚悟を決めて出てきたけど、風がないからかあまり寒くない。コートの中にある体は熱を保ったまま、傘を持つ手だけがどんどん冷たくなっていった。転ばないように、足の裏をまっすぐ地面につけるようにして歩く。こんな日に限って、かかとのあたりに切り傷があって(いつ切ったのかわからないけれど、先日プールから上がった時にふと見たら血が滲んでいて気づいた)、歩くと少し痛い。スニーカーと靴下が濡れたらしみそうだな、と思う。

 

熱いラーメンを食べて、まっすぐに会社へ戻る。会社は四ツ谷にあるのだけど、さっき下ってきた道をのぼりながら、本当に「谷」なんだな、と思う。足に意識を集中しているから、そんなことにも気づく。帰り道、思いっきり転んでいる人を二人見かけた。私も何度か小さく足を滑らせた。凍ったらやばいかもな。

仕事の続きをして、定時の30分前くらいにすべての業務を終える。もう帰りたいけど早退するにも微妙な時間で、ちょっとネットを見たりして過ごす。オミクロンと雪のニュースが多い。

これだけの雪が降ったのは2018年以来で、その前は2014年だそう。たまたまかもしれないけど、ちょうど4年おき。その時自分が何をしていたのか思い出してみる。4年前は今と同じ家に恋人と暮らしていた。恋人はカメラを買ったばかりで、雪の景色を撮りに外へ出かけていっていたのを覚えている。8年前は今とは違う恋人と付き合っていて、その人と一緒に益子へ旅行に行こうとしていた。高速バスに乗る予定だったのに、乗り場がある秋葉原へ行ったら大雪のために運転を見合わせていて、つくばエクスプレスに乗って行ったのだった。益子も大雪だった。本当は雪が降る地域ではないそうなのだけど、私はその一回しか行っていないから、雪の益子しか知らない。

次第にいろんな雪の日のことを思い出してきた。私が一方的に好きだった(相手は私よりずっと年上で、遊びみたいな感じだったと思う)人の家に泊まっていて、「明日自動車の教習所なんですよね」「休んじゃえばいいじゃん。相変わらず真面目だね」という会話をしたこととか……。

 

そんなふうに、今日のことも思い出すのだろうか。特徴的なことは何も起こらなかった一日だけど。

外と室内の寒暖差のせいなのか、会社に戻ってから頭がぼーっとしていて、だんだん眠くなってきた。帰ったら駅前のスーパーで七草を買わないと、と思う。

 

今日の新規陽性者数は641人、現在の重症者数は3人、死者0人。