ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

リアル[2021年7月14日(水)曇り]

集中して取り掛かりたい原稿を朝イチで執筆。12時頃までに一通り書き終えて昼食。余り物のカレー(3日目)を食べきる。それから明日の取材の質問を考えたり、メールの返信をしたり、オンラインで取材をしていたらあっという間に夕方だった。

 

取材中、朝日新聞デジタルから色々とニュース速報が届いていた。一つは、今日の東京の新型コロナ感染者数が1000人を超えたというニュース。もう一つは、芥川賞直木賞の受賞者が決まったというニュース。どちらもダブル受賞で、芥川賞には李琴峰さんの名前もある! 李さんは昨年『ポラリスが降り注ぐ夜』を読んで衝撃を受け、『星月夜』では取材もさせていただいた。ジェンダーやアジアの国々の歴史、政治性、緊張感を折り込んだ李さんの作品は、きっと昔からそこにあったはずなのに見過ごされてきたものに透き通った光を当てる。自分がいうのはおこがましいけれど、すごく大きな意味のある受賞だと思う。とか言いつつ受賞作の『彼岸花が咲く島』はまだ読めていないのでさっそくネットで購入。読むのが楽しみ。

 

そのあとはプールへ。かなり調子がよく、連続で1450m、合計で2200m泳いだ。このままもっと距離を伸ばしていきたい。帰り道では「荻上チキ・Session」で李琴峰さんのインタビューをタイムフリーで聞く。

Twitterを見ていたら私が住んでいる区のツイートが流れてきた。今日から40〜59歳のワクチン接種受付を開始したが、国から供給されるワクチンの量が大幅に減少し、すべての予約枠が埋まっていて受付ができない、という内容。えー……っていうか、職域接種に使われているモデルナだけじゃなくて自治体などで主に使われているファイザーも供給量減少って、本当に駄目すぎるね……。既存の予約は大丈夫なのだろうか。

先日、若林恵×佐久間裕美子『こんにちは未来』の第69回「オリンピックに思うこと」を聞いていたら、冒頭で二人がワクチンについて話をしていた。自分の考え方は若林さんと重なるところがあるなと感じたのだけど、佐久間さんの「(ワクチンを打つことが10年後、20年後どんな影響をもたらすかよりも)コロナの後遺症の方が全容がわからなくて怖い」というのももっともだと思う。

先日も朝日新聞デジタルの「コロナ 後遺症のリアル」という特集で「後遺症で今でも酸素ボンベが手放せない」という60代の男性のケースが記事になっていたのを読んで、後遺症の得体のしれなさに改めて怖くなったところだった。味覚や嗅覚がなくなってしまうのも、食事でストレス解消している自分からすると相当きついだろう。正直な話、ワクチンを打たずに感染して「自業自得」と言われたりスティグマを負ったりするのが怖い、というのもあるし。

 

帰宅後にこまごまとした作業をしていたら恋人帰宅。私の作業が終わらなかったため恋人が麻婆豆腐を作ってくれ、FNS歌謡祭を見ながら食べる。CM中にザッピングしたらテレ東で宜保愛子。心霊系の特番のようで、苦しそうな表情で額に玉のような汗を浮かべており、霊と戦っているっぽい。実はちゃんと映像を見るのがはじめてなのでかなりわくわくしながら見始めたのだが、もうクライマックスだったようで1分ほどで終わってしまった。残念。そのあとはタレントたちが心霊トンネルを訪れてあれこれ騒ぐ内容に移り変わったのだけど、あからさまなヤラセ感が清々しい。トンネルの奥にiPhoneのカメラを向けると白い球のようなものが写る……と現場が騒然とするのだが、多分カメラに入り込んだゴミに光が反射しているだけだと思う。私のiPhoneも同じようになるので。

 

食後はSTARZPLAYで、先週の日曜日にシーズン1の最終話を迎えた「ラン・ザ・ワールド」。NYハーレムで生きる黒人女性4人が主役の物語で、「黒人版セックス・アンド・ザ・シティ」みたいな触れ込み。SATCを見たことがないので正確なところはわからないのだけど、きらびやかで性に奔放で……といったイメージはまあそうなのかな、という感じ。

白人男性が登場するときは基本的に間抜けな役回りだったり、そのユーモアには何か明確に黒人女性たちのために作られたようなところがあって、自分がどの距離感でエンタメとして楽しんでいいのか悩む部分はあるのだけど、衣装の煌びやかさ(ビビッドな洋服が黒い肌にとにかく映える)や、俳優陣(男女ともに)のセクシーさに憧れるような気持ちで見た。映像も洒脱だし、ロバート・グラスパーの音楽も甘美。

序盤でインパクトがあったのはエピソード2。これまで黒人男性としか寝たことがなかったエラが白人男性と寝てみるのだが、後日4人で集まったときその経験を聞かれて「ベッドの鏡に写った自分と男の姿を見て、奴隷制のことを思い出した」みたいなことを言ったり、「白人と黒人が同じポルノに出ていると、給料の格差が気になって集中できない」という話題になったりする。

物書きだがくすぶっているエラをはじめ、レネー、ソンディ、ウィットニーという4人の主役はみな高学歴で、悩みながらも仕事や打ち込みたいことに情熱を注げる環境にいる。4人はそれぞれにパワフルだけれど、それでも黒人差別や不平等なジェンダーロールに打ちのめされることがある。彼女たちの姿は差別があるけど逞しくゴージャスに生きているとも言えるし、ゴージャスに生きようとしても逃れられないものがあることを考えさせられもする。どちらかをメインに描いているわけではなく、シーンによって比重が大きく変わる。それが方向づけをせずに描いているようで、思想ではなく人生が浮かび上がるように思えた。

ラストシーンもすごく洗練されていて、明らかにシーズン2がありそうな終わり方だった。絶対続きが見たい……みんなに見てほしいのだけど、STARZPLAYというあまりメジャーじゃない動画配信サービスなので視聴できる人が限られる。製作陣やキャストのインタビューなどを読んでみたいのだけど、全然話題になっていなくて日本語の記事もまったくといっていいほどないし。シーズン2以降、海外では配信されているのに日本では配信なし、とかになったら悲しいなあ。

そしてとりあえずシーズン1を見終えたので、STARZPLAYは一旦解約。動画のサブスクってなんとなく一度入ったら抜けにくい気がして加入するのに腰が重くなりがちだったのだけど、みたい作品があればフットワーク軽く加入&解約を繰り返してみようと思う。次はスターチャンネルEXでルカ・グァダニーノ『僕らのままで』を見る予定。しかしこうしてはっきりと目当ての作品がある場合はサービス全体じゃなくて作品単体に課金したいのだけど、その仕組みがないのがもどかしい。好きな作品に多く還元したい。

 

夜は疲れていたはずなのになかなか眠れず。ベッドでスマホをいじっているとオリンピック、パラリンピックの開閉会式のクリエイティブチームが発表になったと流れてきた。参加する人たちにもさまざまなスタンスがあると思うのだけど、女性がほとんどいないしやっぱりかなりもやもやしてしまう。

 

今日の新規陽性者数は1149人、現在の重症者数は54人、死者4人。本当に開期中に大爆発しそう。先日総武線に乗っていたら千駄ヶ谷駅のあたりで国立競技場が見えて、開催されたらここに毎日たくさんの関係者が足を運ぶのかと想像してぞっとした。本当に中止してほしい。