ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

遊び疲れる[2021年3月27日(土)晴れ]

吉祥寺ZINEフェスティバル出展のため、朝から吉祥寺。8時前に到着して、パルコの従業員入り口でMと合流。開口一番に「テーブル忘れちゃった……」と言うので爆笑してしまった。今回のイベントは出演者が自分でテーブルや椅子を用意することになっていて、Mには折りたたみ式のテーブルを持ってきてもらうよう頼んでいたのだった。他の出展者の方の荷物を見て気づいたらしい。Mには取りに戻ってもらい、私は先に会場となる屋上へ。折りたたみ式の椅子を広げたり、『消毒日記』に特典としてつけるペーパーを折ったりする。雲一つない快晴で、風がおだやか。良い天気でよかった。

手持ちぶさたになって隣のブースの人と話したり、なんとなく作品を並べてレイアウトを考えたり(テーブルがないので完成はしない)していると、向かい側から2人組が歩いてきて声をかけてくれる。bundleの久保泉さんと大坪メイさんだった。bundleはリトルプレスを作っていて、5月の文学フリマで発売する予定の新作『わたしが部屋にいるときは』では、私も2月のある一日の日記を書いている。寄稿をしてくれたことにお礼を言われ、私も寄稿依頼をしてくれたことがうれしかったとお礼を返した。メールではやりとりをしていたけどお会いするのははじめてで、こうして知り合いが増えていくのは楽しいなと思う。『わたしが部屋にいるときは』のチラシもいただき、私のブースにも置かせてもらう。

そうしているうちにMが戻ってきて、テーブルに設営。隣のブースにいたTONECHIさんに「あ、テーブル来たんですね!」と言われ、そこからまた少し話したり。

 

10時にイベントがスタート。私のブースからは会場に上がるエレベーターが見えたのだけど、エレベーターはひっきりなしに地上と屋上を行き来し、毎回たくさんの人を運んできていた。今回のイベント、チラシを吉祥寺じゅうで4000枚配ったそう。メディアで紹介もされていて、けっこう注目度が高かったようだった。天気がよかったし、緊急事態宣言明けでみんなおでかけ気分になっていたことも大きいのだろう。

私のブースも予想以上にたくさんの人が足を止めてくれた。新刊を出しているわけでもないし、今回のイベントはグラフィック要素の強いZINEの出展が多かったので、テキスト中心の私のZINEはそんなに売れないだろうと思っていたのだけど、持っていった在庫はほとんどすべて売れた。イベント自体の力、目を引くタイトルと装丁(どちらも私が手がけたわけじゃないから存分に自慢できる)のおかげだろう。

友人やお世話になっている人、姉たちが来てくれたこともうれしかった。それから、私の名前を見て「先日ラジオに出てましたよね!」と感想を話してくれたり、同じく名前を見て『仕事文脈』に寄稿したエッセイを読んだと言ってくれたりする人も。どの人も私が出展していることは知らずに来ていて、名前を見て思い出したようだった。そんな風に誰かの記憶に残っているというのは得がたい経験で、この仕事の幸せな部分の一つだ。

 

出展すると一人でも多くの人と話したくて、なるべくブースにいたいと思う。そうして、あまり他のブースは見ることができなくなってしまう。だから隣のブースのTONECHIさんとZINEを交換したり(タトゥーを入れている友人に、そのタトゥーの意味やこだわりを聞いたものをまとめたZINE)、斜め向かいのブースにいたbundleの二人とお互いの客が途切れた時に手を振ったりして交流できたのはうれしかった。姉のFがクリームパンを差し入れてくれたことや、午後から手伝いに来てくれたHが「さとう」*1のメンチカツやコロッケを買ってきてくれたことも。

 

そんなこんなで、あっという間にイベント終了の17時。MのZINEも早々に完売したし、私のZINEも多くの人に手にとってもらえて、出展してよかった。今度イベントがあるときには新作を作りたい。

 

夜は一度私の家に荷物を置きに帰って、そのあとHと私の恋人と居酒屋。昼から用事があって離脱していたM、来られないと思っていたNもあとから合流し、よく遊ぶ5人が期せずして揃った。対面で会うのが久しぶりだったので居酒屋を追い出されてからも話は尽きず、近くの公園でめいめいお酒やお茶を飲みながら話した。そうして24時近くまで話していたけど、朝が早かったこと、春にしては強い日射しの下でずっと接客みたいなことをしていたこと、いつもよりもお酒を多く飲んだことなどが積み重なって、後半はあまり頭が働かず。だけど充実した気分だった。遊び疲れてくたくたになるのも久しぶりだ。

*1:吉祥寺の商店街にある肉屋で、いつも長い行列がついている名店