ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

居心地が良い[2020年11月28日(土)曇り]

最近はとにかく眠くて、一日に10時間以上寝てしまうこともよくある。常に眠くて頭がぼーっとするような春の感じとは違って、活動しているときはしゃきっとしているのだけど、夜はすぐに眠くなってしまうし、朝は全然布団から出られない。寒くなってきたせいもあるのだろうか。

 

12時から友人のNくんと会うために新宿へ。三丁目の交番で待ち合わせ、恋人にお勧めされたクレッソニエールというレストランでランチ。平時の昼時はいつも行列ができているそうなのだけど、コロナの影響か最近は並ばずに入れるらしい。この日も特に並ぶことなく入ることができた。

インスタグラムのDMで時折交流はあったものの、Nくんに会うのは1年以上ぶり。コロナで受けたお互いの近況を話しつつ、『消毒日記』を渡す。インスタで私が宣伝をした時に、「買いたいです!」と連絡をくれていたのだ。また感染者数が増えているから誘うかどうか迷ったのだけど、このタイミングを逃すともう来年以降になってしまいそうだし、連絡するだけしてみようと思ったのだった。迷ったせいで声をかけたのが前日になってしまったのだけど、Nくんも予定が空いていて久しぶりに会うことができた。

とりとめもなく話しているうちに、注文した日替わりメニューの牛ひき肉のステーキが運ばれてくる。Nくんも同じもの。ハンバーグとステーキの中間のような食感で、マスタードソースが効いていておいしい。恋人が「ほんっっとにおいしいから」と大絶賛していたせいでハードルが上がりまくってしまって、なんだかちゃんと味に驚けなかった気がするのだけど、他のメニューも食べてみたいと思った。14時ごろまでゆったり長居をしたけれど、それを許されているようなゆったりとした時間の流れと適度な無関心さがあって居心地がよかった。

 

食後のコーヒーを飲み終えてしまったので移動する。今度はNくんが見つけてくれたカフェ。歌舞伎町の区民センターのような建物の中にあるのに、メニューが妙に凝っている。そのちぐはぐな雰囲気が面白かった。

Nくんが袖をまくり、最近二の腕に入れたタトゥーを見せてくれる。昨日は太ももにも入れたそう。何を入れるか決めきらずに行ったところ、アーティストの人がその場でスケッチを描いてくれて、それを入れたのだと言っていた。Nくんが自身に入れたタトゥーを語るときの口ぶりには、カジュアルさと自分の体を愛そうとする奥深くから来る気持ちが同居しているように感じて印象的だった。タトゥーとかピアスとか整形とか、まるで自分の体を雑に扱っているかのように語られることがあるけれど、むしろ大切にするためにそうする人のほうが多いんじゃないかな、というようなことを思う。

「入れるんだったら何を入れたい?」と言われて、少し悩んだ末に「動物とかかなあ」と応えたのだけど、どの程度本当にそう思っているのかは自分でもわからない。Nくんが鼻水が出ている犬のタトゥーを入れていたので、それに引っ張られたのかも。小さなものを何か入れてみたい気持ちが実はあるのだけど、そのモチーフはまだ全然わからない。

 

それ以外には、最近読んだ本や見たNetflixの作品、お互いの活動についてなど。私が最近読んで面白かった本を挙げると、Nくんは次々にAmazonウィッシュリストに入れて、私はNくんから聞いたNetflixのドラマをメモした。

16時過ぎまで話して、そのあとは一緒に紀伊國屋書店へ。2階をそれぞれ見て、Nくんはさっき話題に挙げた遠野遥『破局』をさっそく買っていた。私はイ・ラン『アヒル命名会議』を購入。そのあと3階も見たかったので、階段のところでNくんと分かれて1人で物色。國分功一郎さんと熊谷晋一郎さんの共著『<責任>の生成ー中動態と当事者研究』や、NHK 100分 de 名著のブルデューディスタンクシオン』のテキストなどを買う。

 

用を済ませたら早々に帰宅して、今読んでいる『文藝』を読み進める。大前粟生「おもろい以外いらんねん」が本当にすごい。Netflix映画のようなアップデートされた価値観でも、旧態依然とした価値観でもなく、その間で引き裂かれつつ前進しようとすることを描いている。

 

夕飯は1人で食べたのだけど、炭水化物を摂らなかったせいかお腹が空いてしまった。別の友達と会っていた恋人が帰ってきて、「お酒飲んだ後は炭水化物が食べたくなる」と言うので、二人してUberEatsでマクドナルドを頼んだ。22時過ぎにマックを食べるなんて土曜の夜らしい。

コロナのご時世だし、そもそも配達パートナーの労働事情で良くない話を聞くことも多いのでチップを支払うようにしている。でも、たかが数パーセントのチップでそれを見ない振りしようとしている自分を、なぜか今日はすごく後ろめたく思った。使わないという意思表示もあると思うし、一時期はそうしていたのだけど、どうしても便利で、たまに使ってしまう。