ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

2020年11月19日(木)晴れ

午前中から取材のために池袋へ。9時過ぎの電車に乗ったけれど、思いのほか空いていた。第3波の影響でリモートワークが復活してきたからなのか、それとも最近の9時台の電車ってこんなものなのか。いつもこの時間に電車に乗らないから、よくわからない。

今日から東京都の警戒レベルが最も高いレベル4に引き上げられたけれど、企業の働き方、飲食店や商業施設の営業については具体的な指示は今のところない。というか、そういう行動指針って警戒レベルに応じてあらかじめ設定しておくものではないのか……。

 

取材を終えたらまっすぐに帰宅して、短めの原稿と文字起こし。それから昨日の日記書き。文学フリマに出す『消毒日記』は第2波のことまでで終わってしまっているので、第3波のことについても触れたい。本の中に収録するのはもう間に合わないので、1日分だけ別紙に印刷してはさみ込むことにした。わりとしっかり書けたと思うけど、なんだか言い訳めいている気もする。とりあえず、少し寝かせてあとで読み返すことにする。

17時から散髪。あまり平日に行くことはないのだけど、三連休が仕事や文フリで時間がなさそうなので。空いているのかと思いきやすべての台が埋まっていた。少し疲れていたので「前回と同じ感じでお願いします」とだけ伝えて、あとはずっと目を閉じていた。

 

家に帰ってまた少し原稿。そのあと、食事をしながら小池都知事の会見の情報を調べる。またキャッチコピーみたいなのが出てくるんだろうなと思っていたら本当にそうで、わかってはいたものの苛立ってしまう。こうしたフレーズの波及効果は否定しないけど、それしかないのでしょうか……でも、調べてみると会食を通しての感染が多いようで(それ以外のタイミングではみんなマスクをしたりこまめに消毒をするように衛生意識がアップデートされているからなんだろう)、いろいろな要素を加味した上でこの判断はそこまでひどいものではないのだろうか。第一印象としてはかなりがっくりきたのだが、ちょっとわからなくなってくる。ただ、やはり全体的に「各自頑張って」という、政治は責任を負わないような雰囲気があって不信感。

 

夜は先日行われたでんぱ組のオンラインライブを見た。メンバーのえいたそが卒業発表をしたライブのアーカイブ。この日はメジャーファーストシングルの「Future Diver」が発売されてから9周年ということで、グループのファーストアルバムを全曲披露。彼女たちのホームである秋葉原ディアステージを、実際のライブステージからバックヤードまでフルに使ってのパフォーマンスで、後半では秋葉原の街に飛び出して歩きながら歌ったり、万世橋で「くちづけキボンヌ」を歌ったりと、オンラインライブだからできることをたくさん盛り込んでいた。

ファーストアルバムはプロデューサーのもふくちゃんによる「アキバソングはワールドミュージックの一種」という考えがもっとも色濃く出たアルバム(だと思う)で、その楽曲たちを10年近い時を経た今、アキバで披露しているというのがエモい……見ながら改めて、アイドルもアキバカルチャーも、演者の不断の努力と観客が「お約束」を守ることで作り出される完璧な虚構なのだね……みたいなことを考えていた。

後半ではスタジオに移動してのパフォーマンスだったけれど、ステージデザインが現代美術家のHouxoQue。こういう現代美術シーンとの接近も毎回楽しい。そしてアンコールではえいたその卒業発表。私はねむきゅんとえいたそが推しだったので、グループがどんどん変わっていくなあとしんみりした気持ちに。

えいたそ、「元気キャラ」といった次元を超えた異常なハイテンションの人なのだけど、常に「みんなを笑顔にする」ことを本気で優先してやってきた人だと思うから、その彼女が自分の未来を優先して卒業を決めたのは本当に感無量。本人が作詞に参加した「ポジティブ☆ストーリー」は泣いてしまった(ストリーミングですでに配信がはじまっているけど、聴くたび泣きそうになってしまう)。2月には有観客でライブもあるそう。コールは難しいかもしれないけど、それでも素晴らしいライブになると良い。そのためにも、その頃には感染が落ち着いているといいな。