ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

気にする/気にしない[2020年11月14日(土)晴れ]

昨日の夜は久しぶりに近所の銭湯へ行ったからか、ただでさえ寝つきがいいのにさらにぐっすり眠ってしまった。先日読んだ千葉雅也の『ツイッター哲学 別のしかたで』という、千葉雅也のTwitterでの発言をテーマごとにまとめたもの(最近新版として文庫版がでた)に「アナーキズム研究の森政稔先生が、授業中寝るのは構わない、睡眠欲は「エレガントな欲望です」とおっしゃって、教養教育ってかっこいいなぁと思った」という一文があったのを思い出す。たしかにかっこいいが、同時にそうかなあ、とも思う。実感がともなわない。

 

恋人も起きてきたので、二人で駅前のパン屋へ。月に一度くらい、休日の朝にこの駅前のパン屋へ行くのだけど、その行為にはただ二人でパンを食べる以上の意味があるように思う。「今朝は機嫌がいいですよ」というメッセージであったり、あるいは「いい休日を過ごすぞ」という誰に対してでもない宣誓であったり。

今週は恋人がかなり忙しそうで、帰宅が1時とか2時とかだった。私は私で忙しく、朝から取材でいなかったりして、ほぼ生活リズムがすれ違い。なんだか久しぶりにゆっくり一緒にご飯を食べている気がする。

私は白身魚のフライとタルタルソースを挟んだパンを食べる。私の「魚のフライって10代の頃は全然おいしいと思えなかったから、自分が積極的に食べるようになるとは思わなかった」という発言から、「魚料理への好感度は加齢によって変わったか」という話題へ。私はここ最近で急上昇しているのだけど、恋人は「今も昔も一貫して肉よりもかなり低い」とのこと。これから魚料理作りづらくなるじゃん! と思いつつ、まああんまり気にせず今後も出し続けるだろうな、とも思う。

 

帰ってから、『消毒日記』の試し刷り2冊を見比べる。表紙に使う紙の種類を、普通のものと、少し制作費が上がるのだけど光沢があるものとで迷っていた。恋人にも相談したところ「こういうのはケチると後から後悔するよ」と。それもそうだな、そもそも儲けを出そうと思ってやっているのではないし、と思って、光沢があるほうに決める。MにLINE。今日中に入稿まで進めてもらう予定。

『消毒日記』は50部刷ることにしたのだけど、文フリだけでは絶対に売り切れないと思うので、何か他の販売方法も考えなければいけない。とりあえず通販はやるけれど、せっかくならZINEを扱っているお店とかにも置いてほしい。装丁がかなり良いので、お店にあったら手に取りたくなると思うし。

 

そのあとは仕事。今週、来週と仕事がかなり立て込んでいて、土日も使わないと終わらない。夕方まで働く。スマホを見ると恋人からLINEがあって、夜の予定がなくなった、とのこと。知り合いとお好み焼きを食べに行く予定が、相手の人が体調を崩してしまったらしい。

コロナの第3波はもはや決定的という感じで、ニュースなどでの扱いも大きくなっている。気を付けないとな、と思いつつ、来週22日の文フリはどうにか開催されてほしいという気持ちがとても強くて、それが事態を深刻に、あるいはフラットにとらえることを妨げている。いつもならきっと怒っているはずの政府の対応の遅さに心のどこかで安堵している自分がいて、けっこう嫌だなあと思う。

開催まであと約1週間。とりあえず体調管理に気をつけて、あんまり人ごみにはいかないようにする。しかし当日、閑散としていそうだな。仕方ないことだけれど。

 

夕飯は恋人が「お好み焼きの口になってる」というので、一緒にお好み焼きを食べに行く。店選びの段階から食べ終えて店を出るまで、「大阪風がいい」「やっぱりそばが入ってる広島風より大阪風のほうがおいしい。そう思わない? ドン・チュー・シンク・ソー?」としきりに言ってくるのだが、あんまりどっちが好きとか考えたことがない。今日も違いを考えながら食べたけれど、こだわりらしきものはまったく浮かんでこなかった。