ヌマ日記

想像力と実感/生活のほんの一部

思い切り壁を蹴る[2020年10月1日(木)晴れ]

昨日は早起きできたのだけど、今朝は寝坊気味に逆戻り。朝なかなか起きられないのは季節の変わり目だからなのか、それとも花粉症の薬を飲み始めたからなのか。花粉症の薬は一日朝夕と飲んでいて、朝に飲んだあと特に眠くなるわけではないから違うかもしれないのだけど、ちゃんと夕方に飲んだ日(飲み忘れることも多い)はより起きられないような気もする。思い込みかもしれないが。

 

仕事をしているといつもお世話になっている媒体から新規案件のメール。なんと「ラジオ特集を作るので、よかったら協力してもらえませんか?」とのこと! やったー! 色々面白い取材もできそうでテンションが上がる。10月はこの仕事に加えて色々と新しい案件が入ってきているし、作っているZINEの制作も大詰め。久しぶりに忙しくなりそう。

この日記でも時々書いているけれど、最近はラジオを聞くことが多い。昨日も取材の行き帰りで、日中の時間帯にお引越しした「荻上チキ・Session」を聞いていた。月曜日の第一回の放送をタイムフリーで聞いて、大友良英さん作のテーマソングが良い曲だなあと聴き入ったり、南部さんがはぴねすくらぶの通販で明太子をおすすめされている時の受け答えの感じの良さや合いの手のうまさに「勉強になるなあ」と感心したり。

そんな変化もありつつ報道番組としての確かさは健在で、10月1日からはじまるGoToトラベルの東京発着についても岩田健太郎さんをゲストに分かりやすく解説されていた。岩田さんいわく、政府の進めているGoTo解禁は「経済もあるから仕方ない」というようななあなあの妥協策で、具体的な工夫がみられないのが良くない、とのこと。では具体的な工夫とは何かといえば、それは混雑を避けることだと話していた。たとえば、人が集まりそうな人気のスポットを避ける、誰もが動きやすい祝日ではなく普段の土日や有給を活用して日程を組む、など。

調べてみると、JR東海などは「ずらし旅」と称して時間や移動手段をずらして混雑を避ける提案をしているみたい。本木雅弘さんが出演するCMもつい最近見た。こうした提案が周知されることで、経済と感染症対策の両立は可能になるのかも。私自身、旅行するのも自粛し続けるのも後ろめたいような気持ちでずっとモヤモヤしていたが、「ずらす」という現実的なアクションに落とし込んで提案されることで、胸につかえていたものが取れたような感覚がある。

 

日中は今日提出の原稿の最終調整や、来週の取材に向けた資料読み。合間に「キューピー あえるパスタソース」のカルボナーラを食べる。麺を茹でてあえるだけなので簡単で、最近よく一人の昼食に食べている。オーソドックスな味付けでおいしく、カルボナーラにはベーコン、ミートソースならひき肉など食感を足す素材が入っているのも良い。

ただ、やっぱりこれだけだと味気ないなあと感じてしまうことも。トマトでもなすでもなんでもいいけど、自分で炒めた野菜をプラスしたほうが満足度は高くなると思う。とはいえ、慌ただしい日などはかなり助けられているのも事実なのだけど。

 

夕方には仕事が片付き、斎藤環さんと與那覇潤さんによる『心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―』を読み始める。「社会を変えられなかった現実に直面するとうつになってしまうから、予防医療のように反原発、反レイシズム、反安倍と、その時旬な”デモのお祭り”を渡り歩く人は多いと思う」とか、杉田水脈議員の「LGBTには生産性がない」発言と2016年の「保育園落ちた日本死ね」の流行は、それぞれの支持層は対立しているように見えるけれどどちらも標準的な家族のあり方にとらわれている点では同じとか、すごく面白い。後者の件についてはやや極端に感じるけど、一理あるなとも。

 

どんどん読み進めたかったが、今日はプールへ行こうと思っていた。満月が輝き金木犀の香りがただよう中、隣駅まで歩く。天気も良いし混んでいるかと思ったけれどそんなこともなくて、自分のペースで1.7キロ泳げた。

泳いでいて疲れてくると、「あと50メートル泳いだら休憩しよう」という考えがいつも頭に浮かぶのだけど、いざその距離を泳ぎきっても反射的にターンしてしまうから不思議だ。頭で考えていたことを体で振り切るように、思い切り壁を蹴る。それはものすごく小さなことなのだけど、自分で決めた限界を破り続ける行為でもあって、蹴伸びをするたびに少しずつ自己効力感が回復している気がする。

 

夜は昨日作った豚キムチ、サラダ、即席の韓国風わかめスープ。Twitterを見ながら、杉田水脈議員が「女性はいくらでもうそをつける」という発言を認めて自身のブログで謝罪したことを知る。謝罪といっても「不快に感じたならおわび申し上げる」という、ここ数年でやたら見かけるようになった暗にこちらの読解力のせいにするタイプの謝り方。本当に不誠実な人だな、と思う。

菅首相日本学術会議の新たな会員候補の任命を見送った、というニュースも。菅首相官房長官時代にNHKクローズアップ現代』に集団的自衛権に関する特集で出演した際、厳しい質問をしてきた番組キャスターを降板に追い込んだとも言われている。こういう圧力のかけ方をする人なんだな…ということを改めて突きつけられたようで恐ろしい。